自主研究とは

あそぼう。自主研究を日常に。

あそぼう。
自主研究を
日常に。

「なぜ?」と思った、その瞬間から研究は始まっています。
特別な資格も、立派な設備も、はじめの一歩には必要ありません。

自主研究とは

自主研究とは、誰かに与えられた課題ではなく、自分が見つけた「なぜ?」を、自分の手で確かめていく活動のことです。

テーマを決めるのは自分。進めかたを決めるのも自分。だからこそ、身のまわりのどんな小さな疑問からでも始めることができます。通学路の坂道で、いつも同じ場所に水たまりができるのはなぜだろう。この曲を聴くと決まって鳥肌が立つのはなぜだろう。そんな問いのすべてが、自主研究の入口になります。

自由研究、探究学習、卒業研究とのちがい

テーマを決める人主な場評価
自由研究自分(多くは夏休みの課題として)小学校・中学校提出物として
探究学習自分(授業の枠のなかで)高校の授業成績・単位
卒業研究・ゼミ研究指導教員と相談して大学の研究室単位・学位
自主研究自分どこでも、いつでも

いちばんの特徴は、「評価がない」こと

表を見比べると、自主研究だけが評価の欄が空白になっています。これは物足りなさではなく、自主研究のいちばんの特徴です。

締め切りも、点数も、単位もありません。だから、遠回りをしても、途中でテーマが変わっても、期待した結果が出なくても、まったく問題がない。うまくいかなかったこと自体が発見になります。この自由さこそが、自主研究を「あそび」に近づけているものです。

けれど、評価がないということは、続ける理由も自分で作らなければならないということでもあります。多くの自主研究が止まってしまうのは、能力や環境が足りないからではなく、面白がってくれる相手がいないからです。

たとえば、こんな問い

  • 線香の燃えカスは、どこまで本体にくっついていて、いつ落ちるのか?
  • 「ロマンチックな場所」を生み出す条件は何か? 条件がそろえば、どんな場所でもロマンチックになるのか?
  • 神社の水占いを、いちばんきれいに成功させる方法は?

どれも、実際にSINAPSのイベントで飛び交ってきた種類の問いです。立派な設備も、専門知識も、最初はいりません。「気になってしまった」——それだけが、資格のすべてです。

はじめかた

1. 「なぜ?」を書き留める

思いついた疑問を、その場でメモに残します。ここでは面白いかどうかを判断しません。あとから見返したとき、何度も出てくる疑問が、あなたの本当の関心のありかを教えてくれます。

2. 問いを小さくする

「音楽はなぜ人を感動させるのか」は大きすぎて手がつきません。「自分が鳥肌が立った曲に共通点はあるか」まで小さくすると、明日から手を動かせます。

3. 確かめる

数える、測る、集める、比べる、聞いてみる。方法は問いの形が決めてくれます。研究室の設備がなくても、確かめられることはたくさんあります。

4. 誰かに話す

話すと、自分が何を分かっていないかが分かります。ここが自主研究のいちばん面白いところで、そして、ひとりでは絶対にできないところです。

よくあるつまずき

設備も予算もない

自主研究の多くは、身のまわりのものと時間だけで成り立ちます。数える、記録を取り続ける、公開されているデータを調べる、人に聞く。高価な装置がなければできない問いは、いったん後回しにしてかまいません。設備の制約は、問いの立てかたを工夫する面白さに変わります。

教えてくれる人がいない

指導者は必要ありません。必要なのは、話を聞いて「それ面白いね」と言ってくれる人です。専門が違う相手のほうが、かえって前提を疑う質問をしてくれることもあります。

専門分野が決まっていない

自主研究に分野の垣根はありません。文系・理系という区分も、あとから研究に貼られるラベルにすぎません。問いが先にあれば、必要な方法は自然についてきます。

途中で行き詰まった

行き詰まりは失敗ではなく、問いが大きすぎるという合図です。ステップ2に戻って、問いをもう一段小さくしてみてください。それでも進まないときは、しばらく放っておいていい。締め切りがないことの、いちばんありがたい使いかたです。

ひとりでやらなくていい

一般社団法人 学生自主研究推進機構(愛称:SINAPS)は、2016年から学生の自主研究を支えてきました。自主研究に必要なのは、才能でも設備でもなく、「それ面白いね」と言ってくれる誰かだと考えています。

全国の自主研究に取り組む学生・社会人が集まるオンラインコミュニティも、研究を持ち寄って語り合うイベントも、あなたが入ってくるのを待っています。